柊家旅館
京都ではいつも柊家に泊まって、あの柊の葉の模様の夜具にもなじみが深い。京に着いた夜、染分けのやはらかい柊模様の掛蒲団に、女中さんが白い清潔なおほいをかけるのを見てゐると、なじみの宿に安心する。遠い旅の歸りに京へ立寄った時はなほさらである。柊の模様は夜具やゆかたばかりでなく、湯呑や飯茶碗などの瀬戸物にも、みだれ箱や屑入れなどにも、ついてゐるのだが、その柊は目立たない。またそれらの調度は、十年、二十年、戦時も戦後も変らない。ずいぶん多く用意してあったとみへる。この目立たないことと変らないことは、古い都の柊家のいいところだ。昔から格はあっても、ものものしくはなかった。京都は昔から宿屋がよくて、旅客を親しく落ちつかせたものだが、それも変りつつある。柊家の万事控目が珍しく思へるほどだ。京のしぐれのころ、また梅雨どきにも、柊家に座って雨を見たり聞いたりしてゐると、なつかしい日本の静けさがある。私の家内なども柊家の清潔な槇の木目の湯船をよくなつかしがる。わたしは旅が好きだし、宿屋で書きものをする慣はしだが、柊家ほど思ひ出の多い宿はない。 ありし日の川端康成さん寄稿分より
宿泊者の感想
父の古稀の祝いでお世話になりました。当日は、京都在住の家族も夕食だけ一緒に取れるよう無理をお願いいたしました。大変お世話になりました。また、父にはとてもステキなプレゼントと心のこもったカードをいただき、本人もとても喜んでおりました。しっくりと落ち着いた京都らしいところで、おいしいお料理をゆっくりといただき、良い思いでになったと思います。ありがとうございました。 最新の情報はこちらから。
京都府京都市中京区麩屋町姉小路上ル中白山町
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